内装のリフォームを成功させるために

良い住まいの条件は「しっかりとした構造」で安全なこと、「給水・給湯・排水」などの設備が整い、清潔なこと、「冷暖房などの空調設備」が整い快適なこと、そして生理条件にあった「採光、照明、色彩計画」がなされ気持ちよく生活ができること。などの条件が満たされていることです。

通気、採光条件が良く、適切に照明計画がおこなわれ上質なファブリクスに囲まれた室内空間は大変心地よいものですが、全ての条件が満たされなくてもそれぞれの要素を補完していくことで気持ちの良い室内空間は確保できますし、またそれらを行なっていく事が内装のリフォームの醍醐味でもあります。

ここでは「採光」「通風」「結露」「照明」「空調」「色彩」や「内装のスタイル」について、どのようにリフォームを成功させていくか考えてみたいと思います。

採光

リフォーム工事では基本的に「現在ある壁を壊す」ことは耐震性能に悪影響が出るため、一般的には行なっていません。むしろ既存の窓を減らし、耐震上有効な壁にしていくことの方が実際のリフォーム工事でよく行なわれています。

しかしながら窓を減らせば室内の採光環境は悪くなるため、室内の採光を確保する対策として「付け替える窓の高さを高くする」などして、工事前の窓の面積に近づけていく工夫などを行うことができます。

「窓の高さを高くする」ことは部屋の奥まで自然光を届かせるメリットがあります。建築基準法では「有効採光面積」(窓の面積のうち採光に有効な面積)というものが定められていますが、この面積を求める場合、計算上「高さのある窓」の方が有利になります。

採光を考える上で実際の生活に重要なのは、「室内の照度を均一」にしていくことです。自然光では窓際が明るく、室内の奥では暗くなりますが、これらの差が激しいと生理的な不快感をもたらすことがあります。

窓際はカーテンなどで適度に遮光し、暗くなりがちな室内の奥では、照明器具などを上手に配置して部屋の明るさがどの場所も同じになるよう照明計画とともに採光を考えていくことが大事です。

通風

近年は夏の暑さが厳しくなり熱中症の予防にエアコンの使用が奨励されていますが、自然の風の気持ちよさは何にも変えがたいものがあります。

耐震性能の関係から「窓」を増やすことは一般的に難しいとされていますが、「通風」については勝手口などで採用されている「採風ドア」と呼ばれるスライド式のドアや玄関用網戸など、ドア部分から風を取り入れることが簡単にできるようになっています。

積極的に自然の風を取り入れ、身体に優しい温度や湿度調節を心がけましょう。

結露

普段お寄せいただくお問い合わせの多くに「結露」に関するお悩みがあります。住宅が「高気密化」しているために起きる現象であるともいえますが、「結露対策」に重要なのが「湿度」のコントロールです。

「湿度」は2種類が存在します。一方は普段お天気などで耳にする「相対湿度」と呼ばれるもので、「飽和水蒸気量」に対する湿度の割合を表します。もう一方は「絶対湿度」と呼ばれるもので「乾燥した空気1kg」に対する水蒸気量を表したものになります。

「飽和水蒸気量」とは「ある温度での空気が含むことのできる水蒸気の量」のことですが、これは温度に比例して高くなるため、「温度が高ければ高いほど多くの水蒸気を含むことができる」ようになります。

そのため、LDKなどでの団欒の際に暖房した「暖めた空気はたくさんの水蒸気を含むことがきる」ようになっています(むしろこのときに空気に水蒸気が含まれていないと「相対湿度」が低くなるために「かさかさした乾燥した空気」となります)ので、就寝時に暖房を切り、徐々に室温が下がる(飽和水蒸気量が下がる)につれ空気中に留まれなくなった水蒸気が結露となって現れるようになります。

このため室内の窓ガラスでは、室内の暖められた空気が外の冷気とぶつかり窓ガラスに「びっしりと水滴がつく」結露の現象が現れることとなります。

ですので主な対策としては

  • 室内の温度が下がる前に「水蒸気を外に排出する」

実際の対策:「排湿用ロスナイ」の設置で室温を下げずに湿度だけ屋外に放出する。

  • 外気の冷たい空気に暖かい空気がぶつからないようにする

実際の対策:「プラマード」や「インプラス」などの内付け二重サッシの設置をする。

このほかには細かいことですが、浴室の換気扇が正常に運転しているか(およそ10年程度で交換が推奨されます)、調理の際には換気扇をきちんと使用するなど、室内の湿度が適正にコントロールされているかどうかがなどが重要となります。

照明

近年のLED照明の普及で室内照明の環境は大きく変化し、「明るさ」だけでなく「照明の色」も自由にコントロールすることができるようになりました。

従来の蛍光灯が主流の時代は、蛍光管の色を「昼光色」「昼白色」もしくは「電球色」と使用する目的にあわせて買い分けなくてはなりませんでしたが、LED照明器具ではこれらの「光の色」もコントロールできるように(機種によります)なったため、同じお部屋でも生活スタイルに合わせて「明かり」を調節することができます。

  • 昼光色:寒色系の「青白い色」で読み物や裁縫など細かい仕事に向いており集中力を高める反面、疲れるなどのマイナス面を持つ
  • 昼白色:最も「自然光」に近いとされている色で、洋服選びやお化粧など外出の支度には昼白色が向いている。
  • 電球色:電球に近い色で「暖かみ」や「落ち着き」が感じられる。「料理が引き立つ色」でもあり食卓に電球色の照明をもちいることもる。

このように「照明の色」だけでも「人の感覚」に与える影響にはさまざまなものがありますがLDKなどさまざまな用途に使用する空間には照明色のコントロール可能な機種を使用し、読書には「昼光色」、お夕食には「電球色」など生活シーンにあわせて「光を装う」のも、照明によるインテリアとして大変効果的です。

照明には「照明の色」による光の装いのほかに、「同じ室内では光のムラをなくす」ことが大事です。同一の室内で「明るいところ」と「暗いところ」が混在すると生理的に不快感を生じることがあることが知られています。なるべく同じ室内では「明るさの程度」を均一にしてリラックスできる空間にしましょう。

「明るさの程度」を均一にするためには室内の一箇所に大型の照明器具を取り付けるよりも、小さめの照明器具を分散して配置したり、間接照明や拡散型のダウンライトを取り付けたりすることなどが効果的です。また、窓から入ってくる自然の光は天候や時間によってまちまちですので、「明るさの調節」が可能な照明器具などを利用して「室内の暗い側」を「窓側の明るい側」と同程度の明るさに補正をしてあげることで落ち着いた室内を演出することが可能です。

空調

せっかくのリフォーム工事では「冷房」と「暖房」についても十分に検討したいところです。「冷房」については「エアコン」以外の冷房手段は一般的に考えられないので、ここでは「暖房」についてお話をしていきたいと思います。

まず、「暖房」の種類については主に以下のとおりとなります。

暖房方法 燃料の種類 室内空気の汚染度合い 特徴
石油ストーブ 石油

汚れる

高気密住宅では特に使用に注意が必要
石油FFヒーター 石油 汚れない 給排気筒を固定するので移動はできない。また基本的に屋外に面した壁のみにしか設置できない
ガスヒーター ガス 汚れる 基本的に石油ストーブと同じですが、燃料を入替える手間が不要。石油と比べ着火時の臭いがすくない
ガスヒーター

(FF)

ガス 汚れない 基本的に石油FFヒータと同じですが、着火までのスピードが速く、部屋の暖まり方が早い。
温水ルームヒーター 基本的にガス 汚れない 熱源機が室外にあるのでコンパクト。使用しない時期は取り外して収納できるため、石油ストーブ並の簡易性を持ちながら空気を汚さないメリットがある。初期の設備投資が大きい。
床暖房 ガス

石油

電気

汚れない 足元から暖かく、室内全体を暖めることができるので快適な室内空調をおこなうことができる。

熱源機の種類は温水循環方式と電気パネル方式の2通りがあり、主に温水循環方式の方が広い面積への設置に適している。

従来はランニングコストが課題となっていたが「エコキュート」などの普及でコスト面での課題もクリアされてきた。

薪ストーブ 汚れない 火力が強く遠赤外線の効果もあるため非常に暖かい。暖房能力以外にもインテリアとして室内空間の演出効果もおおきく、「落ち着く」などやすらぎの効果も期待できる。

設置スペースが限られる、近隣への煙対策、薪の調達などの課題がある。

エアコン 電気 汚れない 近年のヒートポンプの性能向上によってエアコンの暖房能力も飛躍的に高くなるとともに、乾燥しがちなエアコン暖房も加湿機能が搭載されている機種など発売されている。

このほかにもさまざまな暖房方法がありますが、使用される方の家族構成、身体特性、ランニングコスト、周辺環境などを考えながら効率的な暖房方法を選択していく必要があります。

色彩

色彩が人に心理的効果を及ぼすことは広く知られています。「赤」は情熱的で「緑」はやすらぎ、「青」は気持ちを静めるなどの効果があるといわれていますが、ここでは室内装飾の際の「暖色効果」と「面積効果」についてお話をしていきたいと思います。

暖色効果

色は大きく、「赤」や「オレンジ」などの暖色系と「青」などの寒色系と呼ばれる色に大別されています。暖色系は文字通り人が「暖かい」と感じる色で「赤を基調とする部屋」と「青を基調とする部屋」での体感温度の差は3℃近くあったという実験結果もあるようです。

また、「暖色系」の効果として「食欲をそそる」効果(赤ちょうちんなど、つい入りたくなるものです)もあるそうですので「赤」「オレンジ」「ベージュ」などの色をLDKや脱衣室などに用いるのは理にかなった内装であるといえそうです。

反対に「寒色系」と呼ばれる「青」は感情を鎮め「集中力を高める」効果があるといわれていますので、お子様の勉強部屋や書斎などに向いているといえます。

面積効果

同じ色でも面積によって「異なった見え方」になることをいいます。「明るい色」は小さな面積より大きな面積の方がより「明度と彩度が高く」感じられ、暗い色はより低明度に感じられるため、内装や塗装工事などで「小さな見本」で見たままに完成をイメージすると「イメージと違う」などの結果になることがあります。

内装工事などでご覧いただいている見本帳はほとんどが「明るい色」に属する見本帳のため「完成と近い」イメージにするためには「気に入ったサンプル」より「やや低明度・やや低彩度」にしていただくと良いかもしれません。

また、面積効果には「明度と彩度が高く」感じられるほか、小さい面積より大きい面積の方が「コントラストが強調される」効果もあります。

「外壁」と「屋根」もしくは外壁を「上・下」に塗り分けるなど「同一視野」に「異なる色」を組み合わせる際には「見本で組み合わせたものより(色の対比が)強調される」と覚えておくと良いと思います。ですので小さな見本でみたときに「多少違和感がある」などと感じた際には、そのコントラストがさらに強調されることになりますので配色には十分な配慮が必要になります。

内装のスタイル

最後に内装のスタイルについてお話をしたいと思います。ご存知の方も多いかもしれませんが、インテリアには「様式」と呼ばれる「内装スタイル」があります。リフォーム工事で「お施主様」と「施工者」が共通のイメージを持つことは「お施主様」の希望通りの工事にするためには欠かせない要素となります。

主なスタイルは以下のとおりです。

  • ナチュラル

自然な材料などの風合いを大事にしてソフトで暖かみのある内装様式。和風住宅などに多い。腰壁に自然材を用いたり、無垢のフローリングや畳など自然素材に囲まれた内装空間になる。

  • モダン

「形態は機能に従う」と19世紀末に提唱された考え方に基づくインテリア様式で、機能美を求めた様式。家具で有名なイームズなども合理性からくる機能美を追求したものとしてこの様式にあてはまる。

  • クラシック

西洋の19世紀前の伝統的な様式をもちいたスタイルで重厚で華やかな内装。スタイルカーテンやシャンデリアなど趣をこらしたインテリア様式になる。

  • カジュアル

上記のいずれにもあてはまらないスタイルで、自由でシンプルな様式。実際の基本となる内装はシンプルなものとし、住み手の個性に合わせて自由に装いを行なうのが一般的。

リフォーム工事を計画する上で予算は最も重要な事項ですが、実際に施工させていただく立場としては何よりも「気に入っていただきたい」という思いがあります。

ここまでお話した「採光」「通風」「結露」「照明」「空調」「色彩」「内装のスタイル」はどれもリフォームを計画する際に欠かすことのできない大切な要素です。しっかりお打合せをさせていただき、喜んでいただける工事の完成を心がけています。

ご相談はいつでも無料です。お気軽にお問合せください。